十分に眠ったはずなのに「疲れて見える」「老けた印象になった」と言われると、気持ちが沈んでしまいますよね。目の下のクマ取り(脂肪再配置)とは、突出した目の下の脂肪を取り除くのではなく、へこんだ涙溝(涙袋の下のくぼみ・tear trough)へ移動させて目もとを滑らかにする手術です。
目の下がぷっくりと膨らみ、そのすぐ下が暗くくぼんで見えると、表情に関係なく疲れて年齢を重ねたような印象になりがちです。コンシーラーでも隠しきれないこの影が長年の悩みだった方には、今日の記事がきっとお役に立てるはずです。
こんにちは。韓国マイン美容外科・皮膚科の代表院長、李聖郁(イ・ソンウク)です。この記事では、目の下の脂肪がなぜ前に押し出されるのかという原因から、手術の流れ、回復期間と副作用、そして手術前後に必ず守っていただきたいケアまで、カウンセリングで患者様に実際にお伝えしている内容をそのまま整理しました。日本語スタッフも対応していますので、どうぞ気軽に読み進めてください。
目の下のクマ取り(脂肪再配置)とは?ふくらみとクマができる原因
目の下の悩みは、多くの場合ふたつの要素が重なって現れます。ひとつは前に膨らんだ目の下の脂肪(眼窩脂肪=眼球を守るためのクッションのような脂肪)、もうひとつはそのすぐ下でへこんでいる涙溝(tear trough)です。膨らみとくぼみが隣り合って段差ができると、照明の下で影が生まれ、この影こそが私たちが「クマ(くま)」と呼ぶ暗さの代表的な正体になります。
なぜ目の下の脂肪は前に押し出されるのか
ひと言でお答えすると、眼窩脂肪を後ろから支えていた膜がゆるみ、脂肪が前へ押し出されてくるためです。医学の教科書でも、加齢によって眼窩脂肪を包む膜(眼窩隔膜)や目のまわりの筋肉(眼輪筋)がゆるむと、奥にあった脂肪が前方へ膨らんでくると説明されています。具体的な原因を、患者様に説明する順にご紹介します。
- 加齢による構造のゆるみ:眼窩脂肪を包む膜と眼輪筋が年齢とともに弱くなると、奥にあった脂肪が前へ膨らみます。
- 生まれつきの骨格・組織構造:もともと脂肪が突出しやすい骨格や軟部組織の方は、20〜30代の若い年齢でも目の下のふくらみが目立ちます。私の臨床経験でも「まだ若いのになぜもう出てくるの?」とご来院される患者様は決して少なくありません。
- 涙溝靭帯(じんたい)の境界:目の下の脂肪の下を横切る靭帯が皮膚をしっかり固定しているため、脂肪が突出するほどその境界線(涙溝)が深くくっきりと現れます。
- 中顔面(頬の上部)のボリューム減少:加齢で頬の脂肪やハリが減ると、目の下と頬のあいだのくぼみが強まり、段差がいっそう際立ちます。
クマ(くま)と目の下脂肪の関係 — 3タイプの見分け
クマは大きく影タイプ・色素タイプ・血管タイプの3タイプに分かれ、脂肪再配置はこのうち影タイプの改善に適した手術です。皮膚科学の文献でも、目の下の暗さは「形(凹凸)の問題」と「色の問題」に整理され、脂肪の突出による影が原因の場合は構造を整える手術的アプローチ、皮膚そのものの色素沈着や透けて見える血管が原因の場合はレーザー・再生治療といった皮膚科的アプローチが優先される、と示されています。
実際には複数のタイプが混ざっていることも多く、どのタイプが主な原因かを見分ける「鑑別診断」が何よりも大切です。皮膚そのものが原因のクマケアが気になる方は、色素・再生を狙う皮膚治療(目の下のヒアルロン酸(フィラー)など)の情報もあわせてご覧ください。
脂肪再配置が向いている方は?下眼瞼手術・目の下フィラーとの比較
「自分にはどの方法が合うのか」は、多くの患者様が最初に迷われるところです。結論からお伝えすると、選ぶ基準は「年齢」ではなく「皮膚のハリとたるみの程度」です。流行の手術ではなく、ご自身の目の下の状態に合った方法を選ぶことが大切です。
自分に合うのは再配置?下眼瞼手術?
皮膚のハリが良い20〜40代を中心とした方には、目の下のクマ取り(脂肪再配置)が向いています。一方、皮膚のたるみや小じわが目立つ中年以降の方は、余った皮膚まで一緒に整える下眼瞼手術(皮膚のたるみを伴う方向け)が適する場合があります。医学文献でも、余った皮膚や眼輪筋まで整える必要があるときは皮膚を切開する下眼瞼手術が選ばれ、まぶたの内側から行う経結膜アプローチは外側に傷が残らない点が利点だとされています。突出はなくくぼみだけが軽い場合は、目の下フィラーが選択肢になることもあります。
3つの方法の比較(対象・アプローチ・回復)
| 区分 | 目の下のクマ取り(脂肪再配置) | 下眼瞼手術 | 目の下フィラー |
|---|---|---|---|
| 主な対象 | 皮膚のハリが良い20〜40代中心 | 皮膚のたるみ・しわを伴う中年以降 | 脂肪の突出がなくくぼみだけが軽い方 |
| アプローチ | まぶたの内側(経結膜)切開・外側の傷なし | まつ毛の下を皮膚切開 | 非切開(注入) |
| たるんだ皮膚の改善 | 限定的 | 可能 | 不可 |
| 回復の目安 | 内出血・腫れ 約1〜2週 | 抜糸を含め 約1〜2週以上 | 当日〜数日 |
| 持続 | 比較的長く保たれる(個人差あり) | 比較的長く保たれる(加齢の影響あり) | 通常6ヶ月〜1年程度 |
フィラーは涙溝にボリュームを注入する非手術的な方法で手軽ですが、持続は通常6ヶ月〜1年程度で、突出した脂肪自体は解決できないという限界があります。突出脂肪が原因の段差にはアプローチが異なる点を、カウンセリングで丁寧にご説明しています。
マイン美容外科の目の下のクマ取り、手術の流れ
目の下のクマ取り(脂肪再配置)は、局所麻酔と静脈鎮静(セデーション)を併用し、通常30分〜1時間ほどで行います。切開はまぶたの内側の粘膜(経結膜=まぶたの裏側の粘膜から)を通して行うため、外から見える傷が残りません。
精密診断とデザイン
まず、脂肪の突出量・涙溝の深さ・皮膚のハリ・左右差を細かく評価し、どこへどれだけ脂肪を移動させるかを設計します。マイン美容外科では、この診断とデザインの精度が仕上がりを大きく左右すると考えています。くぼみが特に深い場合は、微細な脂肪移植を併用するかどうかも診断の段階で一緒に検討します。
麻酔から当日帰宅までの4ステップ
- 精密診断・デザイン:脂肪量、涙溝の深さ、左右差を評価します。
- 経結膜切開:まぶたの内側の粘膜から進入するため、皮膚を切りません。
- 脂肪の再配置と固定:突出した眼窩脂肪をへこんだ涙溝へ移動し、薄く均一にならして固定します。必要な場合のみ、最小限の脂肪を整えます。
- 仕上げと当日帰宅:最小限の縫合で仕上げ、回復室で経過を確認したうえで当日ご帰宅いただけます。
眼まわりの手術への関心は、世界的にも非常に高まっています。国際美容外科学会(ISAPS)が発表した2024年の国際統計によると、眼瞼形成(目もとの手術)は年間約211万件行われ、脂肪吸引を抜いて世界で最も多く行われた美容手術の1位となりました。それだけ需要が多く術式も確立された分野ですが、結果の差は最終的に執刀医の診断と経験で決まります。
患者様がもっとも多く誤解されるのが「突出した脂肪なら、そのまま取ってしまえばいいのでは?」という点です。私の臨床経験では、脂肪を過度に取り除くと、その場は滑らかに見えても、数年後に目の下がへこんで、かえって老けて見える結果につながることがあります。医学の教科書でも、過度な脂肪切除は目もとのくぼみやまぶたの位置異常につながりうると指摘されています。だからこそ私は「除去」ではなく「再配置」を原則とし、目の下の脂肪を捨てるべき問題ではなく、へこみを埋める大切なボリューム資源として扱っています。マイン美容外科の目の下のクマ取りの詳しい術式については、目の下のクマ取り(脂肪再配置)の専用ページでご確認いただけます。
副作用と回復期間、隠さずお伝えします(ダウンタイム)
どんな手術もそうであるように、目の下のクマ取り(脂肪再配置)も副作用の可能性が「ゼロ」ではありません。ただし多くは一時的なもので、正確な診断と術式、手術後のケアによってリスクを大きく下げることができます。正直にお伝えすることが信頼の第一歩だと考えていますので、起こりうる症状を頻度別に整理します。
起こりうる副作用(頻度別)
- よくあるが一時的:内出血、腫れ、結膜の充血、違和感、一時的に目がしみる感じ・乾き — 多くは数日〜2週間以内に徐々に回復します。
- まれだが注意が必要:左右差、過矯正(目の下のくぼみ)・低矯正(残った膨らみ)、再配置部の細かな凹凸、感染 — 経過を観察し、必要に応じて補正します。
- 非常にまれな緊急症状:眼窩(球後)出血 — 手術後に突然の激しい痛み、眼球が押し出される感じ、視力の低下が現れたら、時間を置かずに直ちに病院へご連絡ください。
数字で見ると、次のとおりです。約27万件規模の調査(Hassほか、2004年)では、眼瞼形成後の眼窩出血は約0.055%、永久的な視力損失は約0.0045%と報告されています。非常にまれな確率ですが、「まれ」と「ゼロ」は違います。だからこそマイン美容外科では、手術前に出血リスクの要因(服用中のお薬、血圧など)を丁寧に確認し、手術後の経過観察の体制を整えています。すべての手術には一定のリスクが伴います。
回復の経過とダウンタイムの目安
内出血と腫れは概ね1〜2週で大部分が引き、日常への復帰は平均3〜7日が目安です。個人差がありますので、参考の基準としてご覧ください。
| 時期 | 一般的な回復の経過 |
|---|---|
| 手術当日 | 当日帰宅、冷やすケアを開始、軽い違和感と腫れ |
| 1〜3日目 | 内出血と腫れがもっとも目立つ時期、冷やすケアを継続 |
| 4〜7日目 | 腫れが大きく引き、洗顔や軽い日常活動が可能に |
| 1〜2週目 | 内出血がほぼ消え、メイクでカバーできる程度に |
| 2〜4週目 | 主治医の確認のうえ、軽い運動を再開できる時期 |
| 1〜3ヶ月 | 細かな腫れが引き、自然な目もとのラインが定着 |
手術前後のケア・注意事項(専門医のアドバイス)
良い結果の半分は手術室で、残りの半分は日常のケアでつくられます。手術前後に守っていただきたいことを整理します。
手術前に守っていただきたいこと
- 血液を固まりにくくするお薬の確認:アスピリンなどの抗血小板薬・抗凝固薬、オメガ3などの一部のサプリメントは出血リスクを高めうるため、通常は手術の1〜2週間前から調整が必要です。ただし、必ず処方した医師と相談のうえで調整し、自己判断で中断しないでください。
- 禁煙・禁酒:喫煙と飲酒は血行と回復を妨げます。少なくとも手術の1〜2週間前からはお控えください。
- 眼科の既往の共有:ドライアイ、結膜炎など目に関わる病気や手術歴は、カウンセリングの際に必ずお知らせください。目の状態によっては手術の時期を調整することがあります。
- 当日の準備:コンタクトレンズではなく眼鏡を着用し、アイメイクをしていない状態でご来院ください。
日本美容外科学会(JSAPS)をはじめとする専門学会も、手術前に執刀医の専門医資格を確認し、十分なカウンセリングを受けることの大切さを強調しています。どんな手術でも「誰が、どのような診断のもとで」執刀するかが結果を左右します。
手術後のケア(高周波ケア・圧迫ケア)
- 冷やす→温める:最初の2〜3日は冷やして腫れを抑え、その後は主治医の案内に従って温めるケアへ切り替えましょう。
- 頭は心臓より高く:就寝時に枕を少し高くすると、腫れが引きやすくなります。
- 目をこすらない:再配置した脂肪が安定する時期なので、少なくとも2〜4週間は目をこすったり強く触れたりしないでください。
- 激しい活動を控える:激しい運動・サウナ・飲酒は腫れや出血のリスクを高めうるため、手術後は最低2〜4週間お控えいただくと安心です。
- 紫外線対策:外出時はサングラスで刺激や紫外線から目もとを守りましょう。
- コンタクトの再開:コンタクトレンズは通常1〜2週間後、主治医の確認を受けてからの着用をおすすめします。
マイン美容外科では、腫れの引きをサポートする高周波ケアや圧迫ケアもご案内しています。手術後に突然の激しい痛み、急な腫れの増加、視力の変化を感じたら、時間を置かずに当院までご連絡ください。回復期の注意点は目の下のクマ取り手術後の注意事項にもまとめています。手術後の管理プログラムの全体像はマイン美容外科のアフターケアでご確認いただけます。
よくある質問(FAQ)
目の下のクマ取り(脂肪再配置)は傷跡が残りますか?
皮膚を切らず、まぶたの内側の粘膜(経結膜)から手術するため、外から見える傷は残りません。粘膜は比較的回復が早いのも特徴です。
手術時間と麻酔方法はどうなりますか?
通常30分〜1時間ほどで、局所麻酔と静脈鎮静(セデーション)を併用します。回復室で経過を確認したうえで、当日ご帰宅いただけます。
クマは完全になくなりますか?
脂肪の突出と段差による「影タイプ」のクマは、明確な改善が期待できます。ただし色素沈着や透けて見える血管が併存する場合は手術だけでは限界があり、皮膚治療の併用が必要なこともあります。結果には個人差があります。
効果はどのくらい持続しますか?再発しますか?
移動して固定した脂肪は比較的長く保たれます。ただし加齢そのものを止める手術ではないため、年月とともに目もとの組織が変化するのは自然なことで、まれに残った脂肪が再び目立つ場合は補正を検討します。
目の下のフィラーとは何が違いますか?
フィラーは涙溝にボリュームを注入する非手術的な方法で、通常6ヶ月〜1年程度の持続です。突出した脂肪自体は解決できません。脂肪再配置は、原因である突出脂肪を移動させて段差を解消する点でアプローチが異なります。
まとめ|同じ目の下の悩みでも、解決法は人それぞれ
目の下のクマ取り(脂肪再配置)は、突出した脂肪を捨てずにへこみを埋める、原因を狙った手術です。ただし同じ「目の下の悩み」でも、脂肪量・涙溝の深さ・皮膚のハリ・骨格構造によって、最適な方法は再配置になることも、下眼瞼手術や皮膚治療になることもあります。診断の結果によって治療計画は変わりますので、具体的な手術方法や費用は、おひとりずつのカウンセリングが必要です。
鏡に映る目もとの影が長年の悩みだったなら、まずはご自身の暗さの「原因」を正確に確かめることをおすすめします。マイン美容外科のオンライン相談・オンライン予約から気軽にお問い合わせいただければ、ご来院時に私が直接診断し、もっとも適した方向を一緒に見つけてまいります。日本語スタッフが対応しますので、どうぞ安心してご相談ください。
作成・監修:マイン美容外科・皮膚科 代表院長 李聖郁(形成外科専門医)
※ 本コンテンツは情報提供のみを目的としており、医療上の診断や治療に代わるものではありません。施術結果には個人差があり、副作用が生じる可能性があります。詳しくは専門医にご相談ください。


