貴族手術とは、口の中(上唇の裏側)を切開して、小鼻の脇からほうれい線の上部にあたるくぼんだ部分にプロテーゼ(医療用インプラント)を入れ、中顔面のボリュームを整える手術です。傷跡が外から見えない一方で、傷口が口の中にあるため、術後の過ごし方が回復のスピードと仕上がりを大きく左右します。
この記事では、マイン美容外科が患者様にお渡ししている貴族手術後の注意事項を、姿勢・食事・腫れのケア・傷の管理・洗顔やメイク・運動・服薬・飲酒と喫煙・経過の9項目に分けてご説明します。腫れの引き方や傷の治り方には個人差がございますので、気になる症状があるときは自己判断なさらず、いつでも当院までご連絡ください。
1. 手術後の姿勢
腫れは重力の影響を受けます。手術後しばらくは、頭の位置をいつもより高く保つことが大切です。
- 1)手術後1週間までは、就寝時に首が曲がらないようにし、上半身を高めにして頭を心臓より高い位置に保つことが、腫れが早く引くのを助けてくれます。
- 2)横向きに寝たりうつ伏せになったりせず、顔を天井に向けて仰向けで寝るようにしてください。
2. 手術後の食事
食事そのものに大きな制限はありません。傷口が口の中にあるため、最初の1週間だけ刺激の強いものを控えていただきます。
- 1)一般的な食事はすべて可能ですが、術後7日間は辛いものや熱いものなど、刺激の強い食べ物は避けてください。それ以降は通常の食事が可能です。
3. 腫れの管理
腫れやあざの出方には個人差がありますが、いったん強くなってから引いていくという経過をたどるのが一般的です。冷やす時期と温める時期を取り違えないよう、ご注意ください。
- 1)手術後2〜3日間は腫れやあざが徐々にひどくなり、その後2〜4週間かけてゆっくりと引いていきます(個人差があります)。
- 2)手術当日を含む3日間は冷湿布を、それ以降は温湿布をしてください。
- (お渡ししたアイシングパックとホットパックをご利用ください。)
- (温める際は、睡眠用ホットアイマスクを使うか、電子レンジで15秒ほど加熱してお使いください。)
4. 傷跡の管理
貴族手術は口の中を切開して行うため、傷の管理はそのまま口腔内の清潔管理になります。
- 1)舌で手術部位(口の内側)を触らないでください。(感染の恐れがあります。)
- 2)口の中を切開して手術を行うため、炎症や感染防止のために食後はこまめに、必ずうがい(ガーグル)をしてください。(約1ヶ月間、口腔内の清潔維持が重要です。)
- 3)歯ブラシを使用した歯磨きは5日後から可能ですが、毛先が直接傷口に触れないよう十分に注意してください。
5. 洗顔・シャワー・メイク/アートメイク
洗顔やメイクは比較的早い時期から再開できます。ただし、手術部位である小鼻の脇(ほうれい線周り)には、力を加えないようにしてください。
- 1)洗顔及びシャワーは当日から可能です。
- 2)メイクは翌日から可能です。洗顔の際、小鼻の脇(ほうれい線部位)は強くこすらず、強く力を入れないよう優しく丁寧に扱ってください。
- 3)サウナは感染の恐れがあるため、術後1ヶ月間は禁止です。
6. 運動
日常生活、軽い運動、激しい運動の順に、段階的に戻していただきます。
- 1)日常生活は通常、術後1週間後から可能です。軽い運動は2〜3週間後から、激しい運動は1ヶ月後から可能です。
- 2)術後約3ヶ月間は、手術部位・ほうれい線周りに物理的な力が加わらないよう十分に注意してください。
7. 薬の服用
処方薬は、飲み始めるタイミングと服用の時間が決まっています。次のとおりにお守りください。
- 1)退院時に処方された薬は、手術終了後の最初の食事の30分後に服用し、決められた時間に規則正しく服用してください。服用後、下痢やアレルギー症状が出た場合は、病院にご連絡ください。
- 2)術後1週間は、出血の原因となるアスピリンやビタミンEの服用は控えてください。
8. 飲酒と喫煙
飲酒と喫煙は、出血・傷の治り・感染のすべてにかかわります。術後の注意事項の中でも、特にお守りいただきたい項目です。
- 1)飲酒と喫煙は出血、傷の回復、感染に悪影響を及ぼすため、術後1ヶ月間は禁止します。
禁煙の期間については、形成外科の教科書『Plastic Surgery: Aesthetic(第2巻)』(921ページ)にも、すべての医師が合意した統一基準はないと明記されています。そのうえで同じ教科書(921ページ)には、一般的な目安として、待機的な美容手術・再建手術の場合は少なくとも手術の4週間前から術後4週間までタバコやニコチン代替療法(ニコチンガム・パッチなど)を控えることが勧められる、とも述べられています。当院が「術後1ヶ月」とご案内しているのも、こうした考え方をふまえたものです。喫煙されている患者様は、可能であれば手術前からの禁煙もご検討ください。
9. 経過
固定したプロテーゼが落ち着くまでは、口元を大きく動かす動作を控えていただきます。
- 1)口の中は溶ける糸で縫合しますが、糸が長くて刺激になる場合は、2週間後に来院していただければ除去いたします。
- 2)固定したプロテーゼが動かないよう、大笑いしたり、あくびをしたりするなど、口を大きく開ける行動は控えてください。
- 3)ストローの使用は約1ヶ月間控えてください。また、唾を吐いたり口の中に強く力を加えたりしないでください。
- 4)手術後、手術部位に圧力をかけないでください。
- 5)手術部位を刺激しないでください。(唇をめくって切開部位を確認しようとすると、傷の治りが遅くなり感染のリスクが高まるため、絶対におやめください。)
貴族手術後の注意事項に関するよくある質問
腫れやあざはいつまで続きますか?
貴族手術では、手術後2〜3日間は腫れやあざが徐々にひどくなり、その後2〜4週間かけてゆっくりと引いていきます。引き方には個人差がございます。手術当日を含む3日間は冷湿布を、それ以降は温湿布をしてください。
洗顔やシャワー、メイクはいつからできますか?
貴族手術後は、サウナは感染の恐れがあるため術後1ヶ月間は禁止ですが、洗顔とシャワーは手術当日から、メイクは翌日から可能です。洗顔の際は、小鼻の脇(ほうれい線部位)を強くこすらないよう優しく扱ってください。
運動はいつから再開できますか?
貴族手術後は約3ヶ月間、手術部位やほうれい線周りに物理的な力が加わらないよう十分にご注意ください。そのうえで、運動そのものの再開時期の目安は、日常生活が術後1週間後から、軽い運動が2〜3週間後から、激しい運動が1ヶ月後からです。
お酒とタバコはいつから再開できますか?
飲酒と喫煙は出血・傷の回復・感染に悪影響を及ぼすため、当院では貴族手術後1ヶ月間は禁止としています。タバコについては統一された基準はないものの、形成外科の教科書『Plastic Surgery: Aesthetic(第2巻)』(921ページ)でも、少なくとも手術の4週間前から術後4週間までは喫煙を控えることが一般的な目安として勧められています。
歯磨きや食事はどうすればよいですか?
貴族手術は口の中を切開するため、歯磨きには特にご注意ください。歯ブラシを使用した歯磨きは手術5日後から可能ですが、毛先が直接傷口に触れないよう十分にご注意ください。食事は術後7日間だけ辛いものや熱いものなど刺激の強い食べ物を避けていただき、それ以降は通常どおりで問題ありません。食後はこまめにうがいをして、約1ヶ月間は口腔内を清潔に保ってください。
※ 貴族手術後の注意事項をお守りいただくことは、仕上がりに大きく影響します。ご協力をお願いいたします。
※ ご不明な点がございましたら、いつでもお気軽に病院までお問い合わせください。
▶ もっと詳しく:鼻手術後の注意事項/ほうれい線・頬のたるみ改善の解説もあわせてご覧ください。また、日本国内で形成外科に関する一般的な情報をお探しの方は、日本形成外科学会(JSPRS)のサイトもご参照ください。
[ お問い合わせ電話番号 : 02-516-1175 ]
※ 本コンテンツは情報提供のみを目的としており、医療上の診断や治療に代わるものではありません。施術結果には個人差があり、副作用が生じる可能性があります。詳しくは専門医にご相談ください。