額縮小(がくしゅくしょう)とは、生え際に沿って切開し、頭皮を前方へ移動させておでこの縦幅を狭くする手術です。一般には「おでこを狭くする手術」「生え際を下げる手術」と呼ばれることもあります。
おでこの広さは、前髪の分け方やメイクだけでは変えにくいものです。「前髪を上げられない」「顔が長く見える」というお悩みで来院される患者様は少なくありません。
この記事では、額縮小がどんな手術なのか、おでこを狭くする方法にはどんな種類があるのか、そして回復の目安までを、マイン美容外科の医師が順にご説明します。言い切れない部分は、なぜ言い切れないのかまで正直にお伝えします。
目次
額縮小とは?おでこの縦幅を狭くする手術
おでこの広さは、生え際から眉のあたりまでの「縦の距離」で決まります。額縮小は、この距離そのものを短くする手術です。
骨を削るわけではありません。生え際に沿って細く切開し、おでこの皮膚を一定量切除したうえで、後ろの頭皮を前方へ移動させ、新しい生え際をつくります。日本では「生え際前進術」とも呼ばれます。
額縮小でできること・できないこと
まず、この手術の守備範囲をはっきりさせておきます。同じ「おでこの悩み」でも、額縮小では扱えないものがあるためです。
- できること:生え際の位置を前方へ引き下ろし、おでこの縦幅を短くする
- できること:M字にへこんだ部分を含めて、生え際の輪郭を整える
- できないこと:下がったまぶたや眉を引き上げる
- できないこと:おでこの骨そのものを削って丸みを変える
- できないこと:頭皮のゆとりを超えて、いくらでも狭くする
最後の一点が、いちばん誤解されやすい部分です。どこまで下げられるかはご希望ではなく、頭皮がどれだけ前に動くかで決まります。
よく混同される「額挙上」との違い
名前が似ている手術に「額挙上」があります。額縮小が広いおでこを狭くする手術であるのに対し、額挙上は下がった額や眉を引き上げる手術で、目的はちょうど反対です。
そのため、同じおでこの手術でも適応はまったく異なります。額挙上については「内視鏡額挙上とは?」の記事で詳しくご説明していますので、そちらをご覧ください。
おでこが広く見える3つのタイプと、額縮小が向いている方
おでこが広く見える理由は一つではありません。診察では、まず「なぜ広く見えているのか」を分けて考えます。

タイプ①:生え際が後退している
もともとの生え際が後ろにあるタイプです。髪の量や毛質に問題がなくても、生え際の位置だけが後方にあると、おでこの縦幅が長く見えます。
額縮小がもっとも適応になりやすいのは、このタイプです。頭皮に前へ動く余裕が残っていることが多いためです。
タイプ②:骨格的に上顔面が長い
マイン美容外科では、顔を上・中・下の3つに分けたときのバランス(上顔面部:中顔面部:下顔面部=1:1:0.8)を目安としてご案内しています。上顔面部にあたるおでこが広すぎると、全体の釣り合いが崩れて見えることがあります。
この場合は、おでこ単独ではなく輪郭全体との関係を見る必要があります。あご先や頬骨とのバランスも気になる方は、輪郭3点手術のページもあわせてご確認ください。
タイプ③:M字の生え際が気になる
正面から見たときに、左右の生え際が三角形にへこんでいるタイプです。全体の縦幅はそれほど広くなくても、へこんだ部分が目立つため広い印象になります。
マイン美容外科が額縮小をご案内しているのは、主に次のような方です。
- おでこが広く、いつも前髪で隠している方
- きれいな生え際にしたい方
- M字型の生え際が気になる方
- 植毛に抵抗がある方
- 植毛を受けても変化を感じられなかった方
男性の患者様からのご相談も少なくありません。ただしM字の程度や頭皮のゆとりによって適応が分かれるため、診察のうえでご案内しております。
いずれのタイプでも、判断の決め手になるのは頭皮のゆとりです。このゆとりが少ない方は、狭くできる幅も限られます。
おでこを狭くする方法の種類|生え際前進・自毛植毛・非手術の違い
おでこを狭くしたいと考えたとき、選択肢は大きく3つに分かれます。まず全体像を表で整理します。

| 比較項目 | 生え際前進(額縮小) | 自毛植毛 | 非手術(ボトックスなど) |
|---|---|---|---|
| 変えられるもの | 生え際の位置そのものを前方へ引き下ろす | 植えた毛で生え際の形をつくる | おでこのシワや眉の位置(縦幅は変わらない) |
| 仕上がりまでの期間 | 手術で一度に位置が変わる | 植えた毛が生えそろうまで時間がかかる | 数日から1週間ほどで変化が出る |
| 傷あと | 生え際に沿った線状の傷あとが残る | 採取部と植えた部分に小さな傷 | 切開を伴わないため、傷あとはほとんど残らない |
| 回復の特徴 | 腫れ・内出血は術後2〜3日がピーク | 腫れはほとんどなく、あっても2〜3日程度。かさぶたは7〜10日ごろ | ダウンタイムはほとんどない |
| 向いている方 | おでこの縦幅をしっかり狭くしたい方 | 生え際の形を整えたい方、手術に抵抗がある方 | シワや眉の位置だけを整えたい方 |
① 生え際前進(切開)=額縮小手術
頭皮には、わずかに前へ動く余裕があります。額縮小は、その余裕を使って毛の生えた頭皮を前方へ進め、おでこの皮膚を切除して縦幅を短くする方法です。
形成外科の教科書でも、頭皮の一部を切除し、周囲を広くはがしてから正常な毛の生えた頭皮を前へ進める、という考え方が整理されています。一度の手術で位置が変わることが、他の方法との最大の違いです。
一方で、切開を伴うため生え際に沿った線状の傷あとができます。腫れや内出血も出ますので、回復にかかる時間は他の方法より長くなります。
② 自毛植毛(ヘアライン矯正)
後頭部などから毛包を採取し、生え際に植えて形をつくる方法です。頭皮を切開して動かすわけではないため、腫れはほとんどなく、あっても2〜3日程度です。かさぶたは7〜10日ごろに自然に取れていきます。
ただし、植えた毛が生えそろうまでには時間がかかります。縦幅を大きく短くしたい方よりも、生え際の形を整えたい方に向く方法です。
植毛そのものの流れや術後の過ごし方は、ヘアライン矯正(自毛植毛)のページでご説明しています。
③ ボトックスなど非手術でできること・できないこと
ボトックスは、おでこのシワや眉の位置を整える施術です。おでこの縦幅そのものが狭くなるわけではございません。
「切らずにおでこを狭くする方法」として紹介されていることがありますが、目的が異なります。生え際の位置を変えたい場合の選択肢にはなりません。
前髪の下ろし方やメイクで印象を変える工夫も、もちろん有効です。そのうえで生え際の位置そのものを変えたい場合に、手術を検討することになります。
額縮小手術の流れ|切開デザインから固定・縫合まで
マイン美容外科の額縮小は、大きく4つの段階で進みます。

- 生え際に沿って切開する(毛包を残すため約45°の斜め切開)
- おでこの皮膚を一定量切除する
- 頭皮を剥離して、前へ動く余裕をつくる
- 頭皮の下の膜(帽状腱膜)を前方へ引き下ろして固定し、3層に分けて縫合する
STEP1 デザインと切開線の設計
最初に、新しい生え際をどこに置くかを決めます。形成外科の教科書では、傷あとを目立ちにくくするための工夫がいくつか整理されています。
ひとつは、切開線を生え際の産毛の中か、そのすぐ後ろに置くこと。もうひとつは、毛包(もうほう=髪の根元を包む袋)の向きに合わせて斜めに切ることです。
さらに、まっすぐな一本線ではなく、ゆるく波打つ線にすると傷あとが目立ちにくいとされています。もともと生え際は直線ではないためです。
STEP2 皮膚の切除と頭皮の剥離
デザインに沿っておでこの皮膚を切除し、頭皮を広くはがしていきます。ここで鍵になるのが、帽状腱膜(ぼうじょうけんまく=頭皮の下にある伸びにくい丈夫な膜)です。
この膜は伸びにくいため、そのままでは頭皮が前へ出てきません。そこで膜に細かく切れ目を入れ、ゆとりをつくってから前へ進めます。
ただし膜の上には、頭皮を養う血管が走っています。切れ目を入れる深さと位置には注意が必要で、そのあとの止血も丁寧に行います。専門書でも繰り返し注意が促されている部分です。
STEP3 固定と3層縫合
前方へ引き下ろした頭皮を、新しい生え際の位置で固定します。このとき、皮膚を縫い合わせる前に膜どうしを先に合わせて縫うのが基本です。
先に膜を合わせておくと、皮膚にかかる引っぱりが減ります。傷あとが広がりにくくなるため、仕上がりに関わる大切な工程です。
マイン美容外科の手術案内によると、額縮小の手術時間は4時間前後、日常生活に戻る目安は約9日です。
麻酔は全身麻酔で行っており、手術当日にご帰宅いただけます。術後の通院は2回で、回復の経過には個人差がございます。
マイン美容外科の額縮小の特徴|毛根を残す斜め切開と5点以上の固定
同じ額縮小でも、固定の方法や切開の角度は医療機関によって違います。マイン美容外科が大切にしているのは、次の3点です。

エンドタインを使わない固定
エンドタイン(吸収されるタイプの固定具)を使う方法もありますが、マイン美容外科では使用しておりません。異物が残る感覚を避けるためです。
代わりに当院では5点以上の固定を行い、引き下げた頭皮が元の位置に戻りにくいようにしています。
引き下げた頭皮には、元の位置へ戻ろうとする力がかかります。固定する点が多いほど、その力が一か所に集中しにくくなります。
眼窩上神経(がんかじょうしんけい)を守る剥離
おでこから頭皮にかけての感覚は、眼窩上神経(眉の上あたりから頭皮へ伸びる感覚の神経)が担っています。剥離の範囲や切開の位置によって、術後の感覚の出方が変わることが知られています。
切開をどこに置くかによって、術後の頭皮のしびれ方が変わることが分かっています。マイン美容外科がこの神経を温存する剥離を行っているのは、同じ発想によるものです。
毛根を残す斜め切開
切開は、毛包を傷つけないよう約45°の角度で斜めに入れます。切開部に毛根を残すことで、傷あとから毛が生えて目立ちにくくなることを期待する方法です。
ただし、傷あとの残り方や毛の生え方は一人ひとり異なります。傷が見えなくなると言い切れる手術ではありません。
回復の目安|腫れ・日常生活・傷あとの時間軸
日本の患者様から最も多くいただくご質問は、ダウンタイム(回復にかかる期間)についてです。おおよその流れを表にまとめます。

| 時期 | 目安の状態 | この時期のポイント |
|---|---|---|
| 術後2〜3日 | 腫れ・内出血がピーク | 無理をせず安静に過ごす時期 |
| 術後3〜4日 | 額のガーゼテープを外す | シャンプーが可能になる時期 |
| 術後1週間前後 | 抜糸 | 傷あとのケアが始まる時期 |
| 約9日 | 日常生活に戻る目安(当院案内) | 前髪で切開部を隠しやすい時期 |
| 術後2〜4週 | 腫れが徐々に落ち着く | 少しずつ通常の生活に近づく時期 |
| 6ヶ月〜1年 | 傷あとの赤みが目立ちにくくなる | 経過を見ながら判断する時期 |
日常に戻るまでの目安
当院の術後案内によると、額のガーゼテープは術後3〜4日で外し、抜糸は通常1週間前後に行います。日常生活に戻る目安は約9日です。
ただしこれは、腫れが完全に引いた状態という意味ではありません。人前に出ても気になりにくい程度まで回復する、という目安です。どのくらいで日常に戻れるかは、患者様によって差がございます。
前髪で切開部を隠しやすいことも、日常に戻りやすい理由のひとつです。ただし傷あとを引っぱらないよう、髪の扱いには注意が必要です。
落ち着くまでの目安
腫れや内出血は術後2〜3日にピークを迎え、その後2〜4週間かけて徐々に落ち着いていきます。傷あとの赤みは、肌質によって6ヶ月〜1年ほど残ることがあります。
「日常に戻れる目安」と「完全に落ち着くまで」は、別の時間軸です。ここを混同すると、術後の経過が予定より遅く感じられてしまいます。
洗髪や外出をいつからどのように行うかは、傷の治り方を左右します。術後の過ごし方の詳しい注意点は、こちらの『額縮小 手術後の注意事項』でご確認ください。
額縮小のリスクと限界|傷あと・頭皮の感覚・毛の生え方
ここまで手術でできることを中心にご説明してきましたが、起こりうることと限界も、同じだけ知っておいていただきたい部分です。
傷あとの残り方には個人差がある
切開線は生え際に沿って設計するため、髪で隠れやすい位置になります。とはいえ、傷あとがなくなるわけではありません。
肌質によって6ヶ月〜1年ほど赤みが残ることがあり、1年ほどでかなり目立ちにくくなる方が多くみられます。傷が盛り上がりやすい体質の方は、事前にお申し出ください。
頭皮の感覚が一時的に鈍くなることがある
剥離の範囲や切開の位置によって、術後しばらく頭皮の感覚が鈍く感じられることがあります。髪を洗うときに「触れている感じが遠い」と表現される方もいらっしゃいます。
マイン美容外科では眼窩上神経を温存する剥離を行い、こうした感覚の変化を抑えるよう努めておりますが、感じ方には差がございます。
切開部の毛の生え方・一時的な抜け毛
切開線の周りで、一時的に毛が抜けることがあります。多くは時間とともに落ち着いていきますが、生え方や時期には個人差があり、結果をお約束できるものではありません。
「後戻り」についてのご質問もよくいただきます。引き下げた頭皮が時間とともにわずかに戻ったように感じられる場合があり、固定の方法や頭皮のゆとりに左右されるため、診察時にご説明しております。
狭くできる幅にも限りがあります。一般に2〜3cm程度とされますが、これは当院が保証する数値ではなく、頭皮のゆとりによって個人差がございます。
そのほか、腫れ・内出血・むくみ・傷の違和感といった変化は、多くの方に一時的に起こります。すべての手術には一定のリスクが伴います。ご不安な点は、手術前のカウンセリングで必ずご確認ください。
参考文献
- Forehead Length Reduction Surgery: Quantifying Complications and Outcomes Through Systematic Review and Meta-Analysis(Aesthetic Plastic Surgery, 2026)
- Hairline-Lowering Surgery(Facial Plastic Surgery Clinics of North America, 2026)
よくあるご質問
額縮小でおでこは何センチくらい狭くなりますか?
一般に2〜3cm程度とされますが、これは当院が保証する数値ではなく、頭皮のゆとりや生え際の状態によって個人差がございます。実際にどのくらい下げられるかは、診察で頭皮の動きを確認したうえでご案内しております。
傷あとはいつごろ目立たなくなりますか?前髪を上げても大丈夫ですか?
肌質によって6ヶ月〜1年ほど赤みが残ることがあり、1年ほどでかなり目立ちにくくなる方が多くみられます。前髪を上げられるようになる時期も、この赤みの引き方によって変わります。切開線は生え際に沿って設計するため髪で隠れやすい位置にありますが、傷あとの残り方は体質や肌質によって変わります。
切開したところから髪の毛は生えますか?いつごろ生えてきますか?
マイン美容外科では毛包を残すために約45°の斜め切開を行い、傷あとから毛が生えて目立ちにくくなることを期待しています。ただし生え方や時期には差があり、一時的に切開線の周りの毛が抜けることもあります。
額縮小の手術時間と麻酔はどうなっていますか?
マイン美容外科では全身麻酔で行っており、手術時間は4時間前後、手術当日にご帰宅いただけます。術後の通院は2回、日常生活に戻る目安は約9日です(回復には個人差がございます)。
手術のあと、頭皮の感覚が鈍くなることはありますか?
剥離の範囲や切開の位置によって、一時的に頭皮の感覚が鈍く感じられることがあります。マイン美容外科では眼窩上神経を温存する剥離を行い、これを抑えるようにしておりますが、同じ手術でも感じ方は人それぞれです。
額縮小に健康保険は適用されますか?
美容を目的とした額縮小は、自由診療(自費)となるのが一般的です。詳しい条件については、診察時にご確認ください。
おでこの広さが気になっていても、頭皮のゆとりや生え際の状態は一人ひとり異なります。まずは、ご自身がどのタイプに当てはまるのかを確認するところから始めてみてはいかがでしょうか。
マイン美容外科では日本語スタッフが対応しております。手術内容・費用・ご来院の流れについては、マイン美容外科の額縮小手術ページをご覧ください。
監修:李聖郁(イ・ソンウク)院長/形成外科専門医(マイン美容外科・皮膚科)
最終更新日:2026年8月22日
※ 本コンテンツは情報提供のみを目的としており、医療上の診断や治療に代わるものではありません。施術結果には個人差があり、副作用が生じる可能性があります。詳しくは専門医にご相談ください。
