年齢を重ねるにつれて気になってくる、フェイスラインのたるみや中顔面のボリューム低下。こうした悩みに対する根本的なアプローチとして、近年とくに注目を集めているのがディーププレーンフェイスリフトです。
本記事では、マイン美容外科・皮膚科のイ・ソンウク院長監修のもと、ディーププレーンフェイスリフトとは何か、その効果やダウンタイム、最新技術の動向までを、専門医の視点からわかりやすく解説いたします。手術を検討されている患者様が安心して情報を得られるよう、医学的な根拠にもとづいて丁寧にお伝えします。
目次
ディーププレーンフェイスリフトとは — フェイスリフト技術の進化
ディーププレーンフェイスリフトとは、皮膚の下にある「SMAS(スマス)」と呼ばれる筋膜層と皮膚を一体のかたまりとして、より深い層から持ち上げる顔面のたるみ取り手術です。SMASとは、簡単にいえば「顔を内側から支えている膜のような組織」のことで、ここが加齢とともにゆるむことで顔全体が下がって見えるようになります。
フェイスリフトの歴史をさかのぼると、1960〜70年代には皮膚だけを引き上げる手法が主流でした。しかし皮膚だけを引っ張ると、不自然な「引きつれ」が生じやすく、効果も長続きしないという課題がありました。
そこで1974年、スウェーデンの形成外科医トルド・スコーグ(Tord Skoog)が、SMASと皮膚を切り離さず一枚の組織として持ち上げる画期的な考え方を提唱します。形成外科の専門文献によると、この方法は皮膚への血流が保たれやすく、結果として組織が安定し、効果が長く持続することが知られています。
この概念がさらに発展し、1980〜90年代にかけて確立されたのが、現在のディーププレーンフェイスリフトです。「ディーププレーン(deep plane)」とは「深い層」という意味で、文字どおり顔のより深い層にアプローチすることで、表面だけを引っ張る従来法とは一線を画す自然な仕上がりを実現します。本術式は、現代のたるみ治療において重要な選択肢のひとつとなっています。
従来のフェイスリフト(SMASリフト)の限界
従来から広く行われてきた「SMASリフト」も、皮膚だけを引き上げる時代に比べれば大きな進歩でした。しかし、より高い満足度を求める患者様にとっては、いくつかの限界も指摘されています。
第一に、中顔面(頬の中央部)への効果が出にくい点です。SMASリフトは主にフェイスラインや顎まわりを引き上げますが、頬の上部のボリューム低下にはアプローチしづらい傾向があります。第二に、皮膚とSMASを別々に引っ張るため、不自然な「引っ張られた表情」になりやすい点。そして第三に、効果の持続期間が比較的短い点です。一般にSMASリフトの効果は5〜7年程度とされます。
これらの課題を、より深い層から組織全体を持ち上げることで克服しようとするのが、ディーププレーンの考え方です。表面と深層を一体で動かすため、各組織のバランスを保ったまま自然に若々しい状態へと近づけることができます。
ディーププレーンフェイスリフトの核心技術
ディーププレーンフェイスリフトの自然な仕上がりを支えているのは、「顔を固定している靭帯をていねいに解放する」という考え方です。専門的な解説になりますが、できるだけわかりやすくご説明します。
私たちの顔の中には、SMASを深い筋膜や骨にしっかり固定している「保持靭帯(ほじじんたい)」という組織があります。代表的なのが頬骨のあたりにある靭帯(頬骨靭帯)と、顎のラインにある靭帯(下顎靭帯)です。形成外科の専門文献によれば、これらの靭帯がSMASを骨につなぎとめているため、加齢で組織がゆるんでも本来の位置に戻りにくくなっています。
ディーププレーンフェイスリフトでは、この保持靭帯を慎重に、かつ完全に解放します。靭帯がしっかり解放されると、固定されていた組織が自由に動けるようになり、無理な力をかけずに自然な位置へと持ち上げることが可能になります。これが「引きつれ感の少ない自然な若返り」の秘密です。
また解剖学的には、咬筋(こうきん/頬の咀嚼筋)の上で固定されているSMASから、その前方にある動きやすいSMASへと、深い筋膜の層を丁寧に剥離していきます。さらに頬の脂肪パッド(マラーファットパッド)の層へとつなげることで、頬全体をふっくらと引き上げることができます。本術式が中顔面の若返りに強いのは、この精密な層の操作によるものです。
各層をいかに丁寧に扱うかが結果を左右するため、解剖を熟知した専門医による精密な操作が欠かせません。マイン美容外科・皮膚科でも、患者様お一人おひとりの顔の構造を診断したうえで、最適なアプローチを設計しています。
主な5つのメリット
ディーププレーンフェイスリフトには、従来法と比べて次のような利点があります。
1. 自然な仕上がり
皮膚とSMASを一体で動かすため、「いかにも手術をした」という引きつれ感が出にくく、ご本人らしい自然な若々しさを得られます。
2. 中顔面の改善
頬の中央部のボリューム低下にもアプローチできるため、こけた頬がふっくらと持ち上がり、顔全体に立体感が戻ります。
3. 長い持続期間
深い層から組織を支え直すため効果が安定しやすく、一般に10〜12年程度持続するとされます。SMASリフトの5〜7年と比べても、長期的なメリットが期待できます。
4. ゆがみが最小限
組織全体のバランスを保ったまま持ち上げるため、表情の不自然なゆがみが生じにくいのが特長です。
5. 首元(ネックライン)の改善
フェイスラインから首にかけてのたるみも同時に整えやすく、横顔やうつむいたときの印象まで若々しくなります。
顔の悩み別 解決効果
ディーププレーンフェイスリフトは、年齢とともに現れるさまざまな悩みに対して、根本からの改善を目指せる施術です。代表的な悩み別に効果をご紹介します。
フェイスライン・首のたるみ
顎下から首にかけてのもたつきを引き締め、すっきりとしたシャープな輪郭へと導きます。
顎下のもたつき・二重あご
深い層から持ち上げることで、顎下のラインを整え、横顔の印象を改善します。
ほうれい線(鼻唇溝)
頬の組織を本来の位置へ引き上げることで、鼻から口元へと伸びるほうれい線をやわらげます。表面のたるみを根本から支え直すアプローチです。
マリオネットライン
口角から顎へ下がる「マリオネットライン」も、口元まわりの組織を持ち上げることで目立ちにくくなります。
フェイスリフトには複数の術式があり、患者様の悩みや骨格によって適した方法が異なります。詳しくはフェイスリフトの種類比較の記事もあわせてご覧ください。
回復タイムライン
手術を検討されるうえで、ダウンタイム(回復期間)は多くの患者様が気にされるポイントです。個人差はありますが、一般的な経過の目安は以下のとおりです。
術直後〜4日目:腫れや内出血、つっぱり感が最も強く現れる時期です。安静にお過ごしいただき、頭を高くして休むことで腫れが引きやすくなります。
1〜2週間:腫れや内出血が徐々に落ち着いてきます。この頃に抜糸を行うことが多く、メイクで目立ちにくくできる方も増えてきます。
2〜3週間:日常生活や軽い外出に支障がない程度まで回復される方が多い時期です。むくみが残ることもありますが、見た目の違和感は少なくなります。
3〜6か月:組織が安定し、最終的な自然な仕上がりへと落ち着いていきます。傷あとも徐々に目立ちにくくなります。
回復をスムーズに進めるためのポイントとして、①医師の指示を守る ②十分な睡眠と栄養をとる ③喫煙・飲酒を控える ④激しい運動を避ける ⑤定期的に経過を診てもらうの5つを心がけていただくことをおすすめします。具体的な経過についてはフェイスリフトのダウンタイム完全攻略でも詳しくご紹介しています。
組み合わせ施術
この手術は、ほかの施術と組み合わせることで、より総合的な若返りを目指すことができます。患者様のお顔全体のバランスを考慮して、最適なプランをご提案します。
中顔面の眼瞼手術(上眼瞼・下眼瞼)
目元のたるみやくぼみを整えることで、フェイスリフトとの相乗効果で印象がより若々しくなります。
眉リフト(ブローリフト)
下がった眉を引き上げることで、目元から額にかけての印象を明るく整えます。
脂肪移植
ボリュームが失われた部分にご自身の脂肪を補うことで、ふっくらとしたハリのある印象を取り戻します。
肌の再生治療
手術で輪郭を整えたうえで、肌質改善の治療を組み合わせることで、肌のキメやツヤまでケアできます。最新の術式の考え方についてはフェイスリフトの最新技術もご参照ください。
よくある質問(FAQ)
Q1. ディーププレーンフェイスリフトはどんな人に向いていますか?
A. フェイスラインや中顔面のたるみが気になる、40代後半〜70代の方に適しているとされます。たるみの程度やお顔の構造によって最適な術式は異なりますので、まずは専門医の診断をお受けください。
Q2. 効果はどのくらい持続しますか?
A. 一般に10〜12年程度持続するとされ、従来のSMASリフト(5〜7年)と比べても長期的な効果が期待できます。ただし加齢の進行には個人差があります。
Q3. 表情は自然に動かせますか?
A. はい。深い層から組織全体をバランスよく持ち上げるため、不自然な引きつれが起こりにくく、自然な表情を保ちやすいのが特長です。
Q4. 回復期間はどのくらいですか?
A. 腫れや内出血は1〜2週間で大きく落ち着き、2〜3週間で日常生活に戻られる方が多いです。最終的な仕上がりは3〜6か月かけて安定していきます。
Q5. 傷あとは目立ちますか?
A. 切開は耳の周囲や髪の生え際など、目立ちにくい位置に行うのが一般的です。傷あとは時間とともに徐々に目立ちにくくなりますが、仕上がりには個人差があります。手術にともなう副作用や注意点についてはフェイスリフトの副作用と注意事項をご確認ください。
フェイスリフトの未来
フェイスリフトの技術は、今なお進化を続けています。今後注目される方向性として、3Dイメージングによる術前シミュレーションの高度化が挙げられます。患者様お一人おひとりの顔の構造をより精密に把握することで、仕上がりの予測精度が高まると期待されています。
また、ロボット支援手術による精密性の向上や、組織工学(ティッシュエンジニアリング)を応用した再生医療的なアプローチなど、より身体への負担が少なく、自然な若返りを実現する研究も進められています。日本における美容外科の動向については、日本形成外科学会などの専門機関の情報も参考になります。
この術式は、こうした技術進化の中心にあるアプローチのひとつです。マイン美容外科・皮膚科では、最新の知見を取り入れながら、安全性を最優先に施術を行っています。
まとめ
ディーププレーンフェイスリフトは、顔を支える深い層からアプローチすることで、自然で長持ちする若返りを目指せる進化したフェイスリフトです。中顔面のボリューム改善やフェイスライン・首元の引き締めなど、従来法では届きにくかった悩みにも対応できる点が大きな魅力です。一方で、手術である以上、ダウンタイムや副作用のリスクもともないます。
大切なのは、ご自身の顔の構造や悩みに合った術式を、経験豊富な専門医とともに選ぶことです。マイン美容外科・皮膚科では、日本語スタッフが対応し、カウンセリングから術後のアフターケアまで丁寧にサポートいたします。フェイスリフトをご検討の患者様は、ぜひお気軽にご相談ください。
※ 本コンテンツは情報提供のみを目的としており、医療上の診断や治療に代わるものではありません。施術結果には個人差があり、副作用が生じる可能性があります。詳しくは専門医にご相談ください。
作成・監修:イ・ソンウク院長(韓国形成外科専門医)/マイン美容外科・皮膚科 最終更新日:2026年6月20日



