フェイスリフトだけであごのたるみが取りきれないのはなぜ?原因4つと首の手術

あごのたるみと首のシワをテーマにしたワンデーマルチネックリフトの案内画像(モデル写真・マイン美容外科・皮膚科)

あごのたるみとは、加齢などで皮膚や脂肪、その下の広頸筋(首の薄い筋肉)がゆるみ、あご下からフェイスラインの輪郭がぼやけて見える状態です。

フェイスリフトや糸リフトを受けても、あごのたるみだけが残ることがあります。ゆるみの中心が首の前側や、あごと首の角度にある場合、顔の側から引く力が届きにくいことがあるためです。軽度であればフェイスリフトで十分な場合もあるので、首の手術が必要かどうかは、どの層がゆるんでいるかを診察で確かめて判断します。

この記事では、原因を皮膚・脂肪・広頸筋の層で見直したうえで、フェイスリフトとの違い、前後2方向で固定する考え方、そして「首には大切な組織があるのに危険ではないの?」というご質問にお答えします。監修はマイン美容外科・皮膚科の李聖郁(イ・ソンウク)院長(形成外科専門医)です。

あごのたるみの原因4つと、顔立ち・印象への影響

「顎のたるみ」「フェイスラインのたるみ」とも呼ばれるこの変化には、大きく分けて4つの原因があります。ただ、原因の名前を知るだけでは対策は決まりません。大切なのは、その変化が皮膚・脂肪・広頸筋のどの層に出ているかです。

あごのたるみと首のシワのイメージ写真(鼻から下の女性)

加齢・体重変動・紫外線・生活習慣という4つの原因

4つの原因と、変化が出やすい層、見え方の関係を表にまとめました。

原因 変化が出る層 見え方
加齢 皮膚(コラーゲン・エラスチンの減少)、広頸筋(深い筋膜との固定が弱まる) 輪郭がぼやけ、あごと首の角度が鈍くなる
急な体重変動 皮膚(伸びたあとにハリが戻りにくい)、脂肪(量の増減) あご下がふっくらする、皮膚が余って見える
紫外線 皮膚(コラーゲンの分解が進む) ハリが落ち、老化が早く進んで見える
生活習慣(偏った食生活・喫煙・運動不足) 皮膚(肌の老化が早まる) 年齢より早くゆるみが目立ちやすい

皮膚だけでなく広頸筋のゆるみも関わる

広頸筋は、首の前面を薄く覆うシート状の筋肉です。骨にしっかり留まっている筋肉ではなく、年齢とともに奥の筋膜(首の深い部分にある膜)との固定が弱まっていきます。形成外科の教科書でも、この固定の弱まりによって、あごと首の角度が鈍くなると説明されています。

一方、首の脂肪の量は個人差が大きく、加齢で増える方もいれば、ほとんどない方もいらっしゃいます。同じあごのたるみに見えても、中心が皮膚なのか、脂肪なのか、広頸筋なのかで、選ぶ方法は変わります。

丸顔に見える・二重あごにつながる:顔立ちと印象への影響

あご周りがたるむと、顔立ちや印象には次の2つの変化が現れます。

  • 顔の形が変わって見える:骨格が華奢な方でも、あご周りがたるむと輪郭線が下がり、丸顔の印象になることがあります。あご下のお肉が折り重なると、二重あごにつながることもあります。
  • 老けた印象になる:輪郭がぼやけると、お顔全体が実年齢より上に見えることがあります。

フェイスリフトとネックリフトの違い:あごのたるみへの届き方

フェイスリフトとネックリフトは、どちらが優れているかではなく、主に働きかける場所が違います。その理由は、顔と首の組織のつながり方にあります。

あごのたるみに関わる首からあご下へ引き上げる方向を矢印で示したイメージ写真(モデル)

SMASは首で消えず、広頸筋へ続いている

SMAS(スマス)とは、皮下脂肪の下で顔を支えている筋肉と筋膜の層のことです。顔のSMASは首で途切れるのではなく、広頸筋を包む浅い筋膜として続いています。首では広頸筋が主役になるため、手術の考え方が顔とは変わります。詳しくは広頸筋の解剖と手術の原理で解説しています。

フェイスリフトが届きやすい範囲と届きにくい範囲

顔と首はひとつづきの層なので、顔のSMASを引く力は広頸筋にも伝わります。そのため、フェイスリフトで改善するあごのたるみもあります。ただし、フェイスリフトだけでは、首の前側や首とあごの角度まで届きにくい場合があります。糸リフトも同様で、頬やフェイスラインの引き上げが中心になるため、首の前側のゆるみには力が及びにくいことがあります。

比較 フェイスリフト ネックリフト
主に働きかける部位 頬からフェイスライン(顔のSMAS) あご下から首の前側(広頸筋と余った皮膚)
あごのたるみへの届き方 フェイスライン寄りのゆるみに届きやすい あご下のゆるみに直接働きかける
首の前側への届き方 力は伝わるが、届きにくい場合がある 主な対象部位

フェイスリフトで十分な場合、首の手術を検討する場合

判断の軸は「ゆるみがどこまで及んでいるか」です。

  • フェイスリフトで十分なことがある:たるみが軽度で、中心が頬からフェイスラインにある場合。
  • 首の手術を検討する:首の前側の皮膚が余っている、広頸筋がゆるんでいる、あごと首の境目が分かりにくくなっている場合。

前と後ろの2方向で固定する:ワンデーマルチネックリフトの考え方

マイン美容外科のワンデーマルチネックリフトは、広頸筋を首の前で束ね、耳の後ろで包み上げるように固定する手術です。手術時間は約3時間で、局所麻酔と静脈鎮静(点滴でうとうとした状態にする麻酔)で行い、当日にお帰りいただけます。あご下の切開は約1.5cmで、耳の後ろのシワに沿った切開も行います。手術の全体像はワンデーマルチネックリフトの詳細をご覧ください。

あごのたるみに対する首の手術の図解:STEP 01 切開線と引き上げる部位、STEP 02 左右の広頸筋を中央へ寄せる様子
同じ手術の2つの部分を示した図です。図のSTEP番号は本文の説明の順番とは異なります。

前で束ねる:あご下で左右の広頸筋を中央に寄せる

あご下の小さな切開から、左右の広頸筋を中央に寄せて縫い合わせます。これが広頸筋縫縮術(顎下筋肉縛り)です。

Cardoso de Castro(1980)の論文によると、左右の広頸筋があごの下縁から1〜2cmの範囲でだけ交わり、それより下は分かれている型が約75%とされています。つまり多くの方は、首の中央で左右の筋肉がつながっていません。ゆるむと左右の縁が目立ちやすくなるため、中央で束ねる処置が役立ちます。

後ろで包み上げる:耳の後ろへラッピングするように固定する

もう一か所の固定は耳の後ろ側です。ここでは広頸筋をラッピングするように包み上げ、ぴんと張った状態で留めます。専門書にも、広頸筋の後ろの縁を斜め上へ引き、丈夫な筋膜に留める方法が記載されています。固定のあとに残った余分な皮膚は切除して縫合します。

なぜ2方向で考えるのか

あご周りのたるみには、左右の筋肉が中央で離れている状態と、耳側へのゆるみが重なっていることがあります。どちらか片方の方向だけでは足りない場合があるため、2方向で考えます。

固定の方向 主な狙い あごのたるみへの働き
前のみ あご下の中央で筋肉を寄せる あごと首の境目を整えるが、耳側へ引き上げる力は加わりにくい
後ろのみ 筋肉を斜め上へ引き上げる フェイスライン側のゆるみに働くが、左右の筋肉が中央で離れたまま残る場合がある
前+後ろ 中央で束ね、後ろで引き上げる あご下からフェイスラインまでをつなげて支える

前で中央に寄せる処置と、後ろで引き上げる処置は、それぞれ形成外科の教科書に記載のある方法で、当院だけのものではありません。Feldman(1990)は、前方からの引き締めだけで首の角度を整える方法を報告しています。どの方法を組み合わせるかは医師によって考え方が異なり、患者様の状態によっても変わります。ネックリフトの一般的な概要は、米国形成外科学会(ASPS)のネックリフト解説もご参照ください。

あごのたるみで首の手術を検討する目安

あごのたるみと首のシワは、40〜50代に多いお悩みです。ただし手術を考えるかどうかは、年齢よりも状態を見て判断します。目安は次のとおりです。

  • あごのラインがたるみ、ハリを取り戻したい:輪郭のぼやけに広頸筋のゆるみが関わっている場合があります。
  • 加齢で首に縦のシワが出てきた:あご下のゆるみと同時に進むことがあります。
  • 首の皮膚が伸びて形が崩れてきた:余った皮膚が、あご下の折れ線を深くしていることがあります。
  • 持ちのよい方法を考えたい:筋肉を固定する手術は、皮膚の表面に働く方法とは考え方が異なります。
  • 注入やレーザー、糸リフトで満足できなかった:ゆるみの中心が別の層にある可能性があります。

首の皮膚が伸びて形が崩れてきたとき

皮膚が伸びると、あごのラインが下がって二重あごのように見え、お顔が大きく見えることがあります。この段階では、皮膚の余りと、その下の筋肉のゆるみの両方を確認します。

ヒアルロン酸・ボトックス・レーザー・糸リフトで満足できなかったとき

これらの方法は、それぞれ働きかける層が違います。効果を感じにくかった場合、原因が広頸筋や余った皮膚にあるのかを確かめることが次の一歩です。手術以外の方法との比較は、首のシワのタイプ別の治し方にまとめています。

診察で見分ける理由

首の縦のスジは広頸筋バンド(プラティスマバンド:広頸筋の縁が筋状に浮き出たもの)であることが多いものの、見えている筋がすべて筋肉とは限りません。医学書でも、伸びた皮膚のひだが筋のように見える場合があるとされています。筋肉なのか皮膚なのかで処置が変わるため、診察で確かめてから方法を決めます。

ネックリフトの危険性は?首の重要な組織と剥離する層の関係

「首には気道や食道、甲状腺があるのに、手術は危なくないのですか?」というご質問をよくいただきます。リスクが低いと言える部分と、ゼロではない部分を分けてご説明します。

気道・食道・甲状腺は剥離する層より深い位置にある

首はいくつもの層が重なってできています。ネックリフトでは、広頸筋より浅い層で皮膚を持ち上げます(剥離)。気道・食道・甲状腺は剥離する層より深い位置にあり、手術はその層まで入らないため、これらを傷つけるリスクは低いといえます。

組織 位置関係 手術での扱い
皮膚・脂肪 最も浅い層 広頸筋の上で持ち上げ、余った皮膚を整える
広頸筋 皮膚・脂肪のすぐ下 前で中央に寄せ、後ろで固定する
気道・食道・甲状腺 広頸筋よりさらに深い 剥離する層より深く、手術はこの層まで入らない

それでも起こりうる合併症

深い組織を傷つけるリスクは低くても、手術である以上、合併症のリスクをゼロにはできません。起こりうるものとしては、腫れ・内出血・むくみ・違和感のほか、血腫(皮膚の下に血液がたまること)、耳周りの感覚低下、一時的な口角の動きの低下などがあります。

Neligan編の教科書『Plastic Surgery』第4版(2018)によると、フェイスリフト後の血腫は女性で2〜3%と報告されています。また、Berry & Davies(2010)の論文では、広頸筋とSMASを縫い縮める手術117例で、血腫は3.4%、一時的な顔面神経の症状は3.4%でした。どちらもフェイスリフト系の手術の数値であり、ネックリフト単独の数値ではありません。詳しくは首のリフトの副作用と合併症をご覧ください。

術前に確認しておきたいこと

専門書では、血腫に関わる要因として血圧や一部の薬が挙げられ、喫煙は皮膚の治りに影響するとされています。カウンセリングでは次の点をお知らせください。

  • 服用中の薬やサプリメント(アスピリンなど血を固まりにくくするもの)
  • 高血圧など持病の有無
  • 喫煙の習慣

すべての手術には一定のリスクが伴います。

手術後の回復:ダウンタイムと結果が落ち着くまでの経過

回復の進み方には個人差があり、翌日から日常生活を送れる方もいれば、もう少しお時間がかかる方もいらっしゃいます。腫れが落ち着いて最終的な状態が見えるまでには、数週間から数ヶ月かかります。手術直後の見た目だけで判断せず、焦らず経過を見ていきましょう。

処方薬・創部ケア・再診

痛みや感染を防ぐための薬は、医師の指示どおりにお飲みください。傷口は清潔で乾いた状態を保ち、当院でご案内する方法でケアしていただくと安心です。再診では経過を確認し、必要に応じて抜糸を行います。回復の段階に合わせて、圧迫ケアや高周波ケアをご案内することもあります。

頭を高くして休み、激しい動きを避ける

就寝時は枕を重ねて頭を高くすると、腫れの軽減につながります。回復の初期は、激しい運動、重い物を持つこと、首に負担がかかる動きはお控えください。項目ごとの詳細はネックリフト手術後の注意事項をご確認ください。

あごのたるみに関するよくある質問

なぜフェイスリフトをしてもあごのたるみが残ることがあるのですか?

フェイスリフトは主に頬からフェイスラインに働くため、首の前側やあごと首の角度まで届きにくい場合があるからです。ただし、顔を引く力は広頸筋にも伝わるので、全員に当てはまるわけではありません。

あごのたるみと二重あごはどう違いますか?

たるみは皮膚や筋肉がゆるんだ状態で、二重あごは脂肪やたるみによってあご下に折れ目が出た状態です。たるみが二重あごにつながることもあります。両方が重なっていることも多いため、診察で確認します。

何歳くらいで手術を考える方が多いですか?

あご周りのたるみや首のシワは、40〜50代に多いお悩みです。ただし手術が合うかどうかは年齢だけでは決まらず、皮膚・脂肪・広頸筋の状態を見て判断します。

糸リフトやレーザーで変わらなかった場合はどうすればいいですか?

まず、原因が広頸筋や余った皮膚にあるのかを診察で確認します。そのうえで、必要があれば首の手術を検討します。手術ありきではなく、状態に合う方法を一緒に探していきます。

ネックリフトで気道や甲状腺を傷つけることはありますか?

気道や甲状腺は剥離する層より深い位置にあるため、傷つけるリスクは低いといえます。ただし血腫などの合併症のリスクをゼロにはできません。リスクについては術前に医師から詳しくご説明します。

手術の結果はいつごろわかりますか?

腫れが引いて最終的な状態が見えるまで、数週間から数ヶ月かかります。経過には個人差があるため、再診で確認しながら見ていきます。

マイン美容外科・皮膚科で、あごのたるみの原因から相談する

同じように見えるたるみでも、原因の層は一人ひとり異なります。マイン美容外科・皮膚科では、手術ありきではなく、まず原因を確認し、フェイスリフトで十分なのか、首の手術を検討するのか、手術以外の方法が合うのかを患者様と一緒に考えます。

当院は韓国・ソウル江南にあるクリニックで、日本語スタッフがご相談をサポートします。LINE公式アカウントでは、お写真をお送りいただく写真カウンセリングを日本語で承っています。お電話(+82-2-516-1175)でもお問い合わせいただけます。渡韓のご予定が決まっていない段階でも、どうぞお気軽にご連絡ください。

作成・監修:マイン美容外科・皮膚科 代表院長 李聖郁(イ・ソンウク)形成外科専門医/最終更新日:2026年11月8日

【注意事項】本記事はマイン美容外科・皮膚科が医療広告ガイドラインに基づき作成した情報提供記事です。
すべての手術には、炎症・出血・感染などの副作用が生じる可能性があります。
効果・結果には個人差がございます。手術前に必ず専門医との十分なカウンセリングをお受けください。
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※ 本コンテンツは情報提供のみを目的としており、医療上の診断や治療に代わるものではありません。施術結果には個人差があり、副作用が生じる可能性があります。詳しくは専門医にご相談ください。

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