1.お薬の服用について
退院時に処方されたお薬は、手術後の最初の食事から30分後に服用してください。決められた時間を守り、規則正しく服用してください。服用後に下痢やアレルギー症状などが現れた場合は、当院までご連絡ください。
手術後1週間は、アスピリンやビタミンEは出血の原因となるため服用をお控えください。
海外患者様への処方について
【基本処方】
- バナン錠 (Cefpodoxime proxetil): 1回1錠 / 1日2回 / 7日間服用
- ソレトン錠 (Zaltoprofen): 1回1錠 / 1日2回 / 7日間服用
- ラベオン錠 10mg (Rabeprazole sodium): 1回1錠 / 1日2回 / 10日間服用
- フラジニル錠 (Metronidazole): 1回1錠 / 1日2回 / 10日間服用
- グリコピロレート錠 (Glycopyrrolate): 1回1錠 / 1日1回 / 14日間服用
- キミテパッチ (Scopolamine Patch): 2箱 / 片方の耳の後ろに1枚貼付 / 3日ごとに交換/ 計12日間貼付
※ 症状が改善しても自己判断で中止せず、必ず医師の指示に従って服用してください。
【予備薬】
- バナン錠 (Cefpodoxime proxetil): 1回1錠 / 1日2回 / 10日間服用
- ラベオン錠 10mg (Rabeprazole sodium): 1回1錠 / 1日2回 / 10日間服用
- フラジニル錠 (Metronidazole): 1回1錠 / 1日2回 / 10日間服用
- キミテパッチ (Scopolamine Patch): 2箱 / 片方の耳の後ろに1枚貼付 / 3日ごとに交換/ 計12日間貼付
【唾液貯留による細菌感染時】
- オーグメンチン錠 625mg (Augmentin Tab.): 1回1錠 / 1日3回 / 7日間服用
- ビオフロール250カプセル (Bioflor 250 Cap): 1回1錠 / 1日2回 / 7日間服用
- グリコピロレート錠 (Glycopyrrolate Tab): 1回1錠 / 1日2回 / 7日間服用
- クリンダマイシンカプセル 150mg (Clindamycin): 1回2カプセル / 1日3回 / 7日間服用
※海外患者様の場合、帰国後に起こり得る状況に備え、基本処方に加えて予備薬(10日分)および唾液貯留による細菌感染用の薬(7日分)を追加で処方しております。手術部位のうち、特に「唾液腺部位」に腫れや唾液の貯留が見られる場合は、必ず医療スタッフへご連絡ください。その後、医師の確認のうえ、指示に従って予備薬をご服用ください。

2.腫れ管理および圧迫バンド管理(回復速度を左右します)
01.手術後2〜3日間は、腫れや内出血が徐々にひどくなります。その後、2〜4週間かけてゆっくりと落ち着いていきます(個人差があります)。
02.手術当日を含めて術後3日間は冷却、その後は温湿布(温め)を行ってください。お渡しした保冷・保温パックをご使用ください。
- • 冷却:パックを冷凍庫で冷やして使用
- • 温湿布:電子レンジで15〜20秒温めて使用 (長時間加熱すると破裂の恐れがあるためご注意ください)
- ※ 一時的に顎下の感覚が鈍くなり、熱さを感じにくいことがあります。
やけど防止のため、必ず事前に手の甲で温度を確認してから手術部位に当ててください。
03.手術部位は約2か月間、硬くなる時期がありますが、その後徐々に柔らかくなります。これは自然な経過ですのでご安心ください。
04.圧迫管理(圧迫バンド着用):唾液が溜まる空間を減らすことが重要です。
- • 1週間(7日間)は24時間圧迫(※最低3日以上必須)
- • 強く締めすぎない(指1本入る程度)
- • 就寝中も着用
- • 濡れたり汚れた場合はすぐに交換
- • 8日目以降は、在宅時や就寝時に継続着用
- • 唾液が溜まっている疑いがある場合は、常時着用して圧迫してください
3.傷口の管理について
01.抜糸は手術後7日目に行います。
抜糸後、当院で貼付したステリーテープ(白色)は3日後に取り外してください。
それ以降は、顎下に絆創膏または3Mテープ(茶色)を貼ってください。
02.抜糸後は、顎下に肌色の3Mテープを3か月間貼付してください。
※ 耳の後ろには貼る必要はありません。
03.唾液腺手術後、圧迫バンドの内側に固定するガーゼは7日間必ず維持してください。
ガーゼを3〜4枚重ねて手術部位に当て、フェイスバンドの内側に入れて圧迫してください。
洗顔後に再度フェイスバンドを装着する際も、同じ位置にガーゼを入れて維持してください。
04.糸リフトを同時に行った場合、リフト部位の針穴は無理に剥がさず、
2日ほどデュオダームを貼っておくことをおすすめします。
05.高周波ケアは抜糸後、合計2回行うことが可能です。事前にLINEでご予約のうえご来院ください。
※ 手術部位に強い熱感や強い痛みが続く場合は、当院へご来院ください。
※ 切開部位は感染予防のため、手術後1か月間は手でこすらないでください。
※リフト部位の穴から糸が出て触れる場合は、当院までご来院ください。
4.瘢痕用外用薬(傷あとクリーム)使用のご案内
01.使用方法
- ダーマティックス ウルトラジェル または コントラクチューベックスジェル
(どちらか一方のみを選んでご使用ください)
• より効果的な瘢痕改善のため、抜糸から3か月後より使用開始し、最低6か月以上継続してください。
• 使用前に瘢痕部位を清潔に洗浄し、やさしく水分を拭き取ってください。
• 傷が完全に閉じた状態でのみ使用してください。(まだ傷が開いている場合は使用しないでください。)
• 少量(米粒〜小豆大程度)を取り、薄くのばします。
• 瘢痕部位にやさしくマッサージするように塗布してください。
• 完全に乾くまで約1〜2分待ってください。
• 1日2回(朝・夜)の使用を推奨します。
02.注意事項
- • 塗布後は、瘢痕部位をこすったり引っかいたりしないようご注意ください。
- • 紫外線により色素沈着が悪化する可能性があります。外出時は必ず日焼け止めを併用してください。
- • 使用中に皮膚刺激やアレルギー症状が現れた場合は、直ちに使用を中止し、当院までご連絡ください。
5.回復経過のご案内(※個人差があります)
01.時期ごとの回復の目安
- • 1週目:大きな変化はなく、ほぼ現状維持の場合が多いです。
- • 2週目:徐々に腫れや膨らみが減少し始めます。
- • 3〜4週目:多くの方がはっきりとした改善を感じます。
02.回復が順調なサイン
- • 朝起きたときに腫れが軽くなっている。
- • 食後の腫れの増加が以前より少ない
- • 全体的にサイズが小さくなっている傾向がある
03.回復過程でみられる可能性のある症状
- (1). 皮膚がつっぱる感じや鈍い感覚は正常な回復反応です。
時間の経過とともに改善します。(1〜2か月目が最も強く感じやすい時期です) - (2). 手術部位が硬くなったり、一時的に凸凹して見えることがありますが、時間とともに改善します。
(約3か月後から徐々に改善) - (3). 手術中の剥離過程で組織が分離される際、一時的に皮膚が硬く感じられたり、
触れるとしこりのように感じられることがあります。
これは手術後の正常な反応であり、組織が癒着していく過程で見られる自然な現象です。 - (4). まれに口元の神経が刺激されることで、口角が上がりにくくなることがありますが、
通常は2〜3ヶ月ほどかけて回復します。 - (5).マッサージや圧迫を加える行為は、1ヶ月間お控えください。
- (6). 顎下(二重あご)部位へのウルセラや超音波レーザー施術は、6ヶ月間お控えください。
- (7). 長時間、首を後ろに90度ほど反らす姿勢は、3ヶ月間お控えください。
筋肉を固定している吸収糸が溶けて組織が癒着するまで、一定の時間が必要です。
6.毎日のセルフチェック項目
- お薬の服用確認
- パッチの状態確認
- 腫れの大きさの変化
- 圧迫の維持状況
- 体温の確認
7.異常症状が出た場合のご連絡・受診基準
01.直ちにご連絡・ご来院が必要な場合
- • 38℃以上の発熱
- • 腫れが急激に大きくなる
- • 痛みが強くなる
- • 膿の排出や悪臭がある
- 手術部位が開いてしまった場合
- • 呼吸困難
- • 唾液貯留部の二次感染が疑われる場合
02.2〜3日以内にご相談が必要な場合
- • 食後に腫れが継続的に強くなる
- • 圧迫しても繰り返し再発する
- • 3日以上改善がみられない
- • 薬の副作用が強い(強い口渇、視覚障害、排尿困難など)
- ※ご不安な症状がある場合は、自己判断せず当院までご連絡ください。

8.追加処置が必要な場合(唾液貯留)
01.唾液の貯留(粘液嚢胞)とは?
手術後、唾液腺から分泌される唾液が一時的にうまく排出されず、手術部位に溜まって腫れが生じる状態を指します。
02.主な特徴
- • 手術部位がふくらむ
- • 触ると水風船のように柔らかい感触がある
- • 食後に腫れが大きくなる傾向がある
- • 痛みは強くないことが多い
※ 唾液貯留は不快感を伴うことがありますが、多くの場合は適切な管理により改善する合併症です。
通常は2〜4週間以内に、薬物治療・圧迫管理・刺激物の制限によって改善します。
※ 圧迫で改善しない場合や、唾液が多く溜まり腫れが大きい場合には、注射器で溜まった唾液を排出する処置が必要となることがあります。ただし、実際に排液が必要かどうかは、診察医が超音波検査を行ったうえで判断します。
09.生活上の注意事項
01.術後の食事
- •【術後の食事について】
- ・唾液分泌を抑えるため、食事内容の調整が必要です。
- ・避けていただきたい食品:酸味の強いもの(レモン、酢の物、梅干し、グレープフルーツなど)
辛いもの(唐辛子を多く使った料理、キムチ、激辛ラーメンなど)
塩分の多いもの(漬物、塩辛、佃煮など)
硬い・噛みごたえのあるもの(するめ、ビーフジャーキー、ナッツ類、せんべいなど)
非常に熱いもの(熱々の味噌汁・スープ、鍋料理、熱いお茶やコーヒーなど)
その他刺激の強い食品(カレー、マーラータン、辛い食べ物など) - ・食事中に違和感や張るような感覚、唾液腺周辺の腫れが出ることがあります。
その場合はお写真を撮って当院へご連絡ください。
医師の確認後、必要に応じて対応をご案内いたします。
また、該当部位を軽く圧迫していただくと症状の緩和に役立ちます。
02.洗顔・シャワー
- • 洗顔は術後翌日から可能です。
(あご下テープを外した後、必ず防水テープを貼ってからシャンプーしてください。
※防水テープは薬局やインターネットでご購入ください。) - • サウナは術後1か月間禁止です。(感染予防のため)
- • メイクおよびコンタクトレンズの使用は翌日から可能です。
(メイクを落とす際は、テープが濡れないようご注意ください。)
03.飲酒・喫煙
• 飲酒および喫煙は出血・創部治癒遅延・感染の原因となるため、術後1か月間は禁止です。
04.運動
- • 日常生活はすぐに可能です。
- • 軽いウォーキングは術後1〜2週間後から可能です。
- • 激しい(負荷の高い)運動は術後1か月後から可能です。
05.睡眠
• 就寝時は頭を心臓より高く保つようにしてください。
06.その他
- • 十分な休息をとってください。
- • 唾液が溜まっている部位のマッサージは禁止です。
※ 術後管理は手術と同じくらい重要です。ご協力をお願いいたします。
※ご不明な点がございましたら、いつでも当院までお問い合わせください。
▶ もっと詳しく:唾液腺手術の徹底比較
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